相続放棄者がいる場合の相続登記

 今回は、共同相続人の中に相続放棄者がいる場合の相続登記についての話です。なお、「相続放棄」自体の説明は、コラム「相続放棄について」をご覧ください。

司法書士 佐藤俊傑

相続放棄の意義と効果

 相続放棄をした者は、その相続について、相続開始時に遡及して、すなわちはじめから相続人ではなかったものとみなされます(民法939条)。
 そのため、被相続人の全ての相続財産(債務も含む)を承継しなかったことになります。

 なお、相続放棄は、家庭裁判所が相続放棄の申述を受理することにより成立します。

相続放棄者がいる場合の相続登記

 例えば、もともと相続人がA・B2名であったところ、Bは相続放棄をした場合を前提とします。

 この場合、前述のとおり、Bは相続放棄によりはじめから相続人ではなかったことになるのですが、A単独の相続登記をするためには、Bが相続放棄をした事実を証明しなければなりません。

 亡くなった方(=被相続人)の戸籍を追っていけば、AB2名が相続人と判明するところ、戸籍上には相続放棄をした事実は記載されないからです。

 そこで、それを証明する情報として、A単独の相続登記の申請をする際「(Bの)相続放棄申述受理証明書」を添付します。
 これは、相続放棄の手続をした家庭裁判所で取得するもので、自ら申請をしなければ発行されません

「相続放棄申述受理証明書」と「相続放棄受理通知書」

 「相続放棄申述受理証明書」と似て非なる書面で「相続放棄受理通知書」というものがあります。

 前者(証明書)は、前述のとおり、家裁に請求して交付してもらう書面ですが、後者(通知書)は、相続放棄の申述が受理されると、家庭裁判所から(当然に)送付してくれる書類です。

 相続放棄者がいる場合の相続登記の添付書類としては、以前は「証明書」しか認められていませんでしたが、現在はその取扱いが変わり、「通知書」でもよいことになりました。
 小さい変更ですが、登記手続を利用する方の手間暇の軽減という意味では良いことだと思われます。

(補足)相続放棄者の戸籍謄本の添付の要否

 関連事項として、相続放棄者がいる場合の相続登記の添付書類として、前述した「証明書」ないし「通知書」の他に、相続放棄者の現在の戸籍謄本は必要かという問題があります。

 この点については「登記研究」の記載が参考になります。

登記研究238号【要旨】

 相続登記申請において、相続放棄者については、その者が相続人であることが添付された除籍謄本・印鑑証明書等によって確認できる場合には、その者の現在の戸籍謄本の添付を要しない。

登記研究127号【要旨】

 被相続人の戸籍謄本において相続放棄者が既に除籍されているが、その除籍事項中の新本籍地・氏等と相続放棄申述書謄本記載の本籍地・氏等とが符合しているときは、その放棄者の現在の戸籍謄本の添付を要しない。

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以 上

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