「相続させる」と「遺贈する」

 更新日2018年12月17日

今回は、遺言書の記載方法によって、その後の手続が変わってしまうので注意しましょうというお話です。

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司法書士 佐藤俊傑

「相続させる」と「遺贈する」

 例えば、不動産を所有する人が、Aに不動産を譲る旨を遺言書に記載しました。
 その際、「下記の不動産をAに相続させる。」と記載する場合と「下記の不動産をAに遺贈する。」と記載する場合とで何か違いがあるのでしょうか?

遺贈とは

 「相続させる」という言葉は、一般的な日常用語として何となく意味はわかると思います。

 では、「遺贈」とは何でしょうか?
 遺贈とは、「遺言により、無償で遺言者の財産を他人に与えること」を意味します。

 そうすると、前述の例の場合、普通に考えれば、どちらにしてもその不動産はAのものになるので、結果オーライのようにも思えます。しかしながら、その後の登記手続に大きな差異がでてきます。

単独申請か共同申請か

 不動産登記法63条2項は次のような条文になっています(不要な部分は省略)。

「相続・・・による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。」

 原則として、不動産登記の申請は登記権利者と登記義務者の共同申請で行います。例えば、売買による所有権移転登記であれば、買主と売主が共同で申請します。

 しかしながら、上記の条文により、相続による権利の移転登記は、登記権利者である相続人が単独で申請をすることができるのです。
 一方で、同条には「遺贈」の文字はありません。よって、遺贈による権利の移転登記は原則どおり共同申請になるのです。
 (ちなみに、申請書に記載する登記の原因も、前者は「年月日相続」、後者は「年月日遺贈」となります。)

 そうすると、所有する不動産をAに譲るという結果に違いがないのであれば、「相続させる」という文言を使用した方が、その後の登記手続は容易になるのです。

 なお、当然の前提ですが、いくら遺言書に「相続させる」と記載しても、相続を原因とする移転登記は相続人にしかできません。
 例えば、「孫Bに相続させる。」と遺言をしたとしても、遺言者の子が存命であれば、孫は相続人にはなりませんので、この場合は「遺贈」による移転登記をすることになります。

 また、「長男に譲る」「二男にやる」「長女につがせる」などと言った日常用語を遺言書で使用すると、相続なのか遺贈なのか以前に、そもそもどういった趣旨であるのか後々その解釈をめぐって紛争が生じる恐れもありますので止めた方が良いでしょう。

遺贈を原因とする所有権移転登記の方法

 最後に、遺贈を原因とする所有権移転登記についてですが、共同申請といっても、実際に移転登記をするときは遺言を残した所有者本人は死亡しています。そのため、遺言者の相続人全員が登記義務者となります。

 また、遺言執行者(遺言の内容を実現する行為をする人)を定めてあれば、その遺言執行者が登記義務者側の代理人として、登記権利者(遺贈を受けた人)と共同申請をすることになります。

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 (参考)判例の要旨紹介 最判平成3年4月19日 最高裁HPより引用

 「相続させる」という遺言の解釈を確定させた判例として、登記実務上意義のある判例です。お時間があればお読みください。

1 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるかまたは遺贈と解すべき特段の事情のない限り、当該遺産を当該相続人をして単独で相続させる遺産分割の方法が指定されたものと解すべきである。
2 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合には、当該遺言において相続による承継を当該相続人の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、当該遺産は、被相続人の死亡の時に直ちに相続により承継される。

以 上

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