相続の基礎 相続の対象となる財産

  更新日2018年12月19日

 今回は、相続の対象となる財産の範囲についてお話をしていきたいと思います。

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司法書士 佐藤俊傑

包括承継の原則

 「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」(民法896条本文)。

 これは相続の一般的効果について規定された条文ですが、ここでいう「一切の権利義務の承継」を「包括承継」と言います。
 すなわち、特定の不動産や貸金債権といった個別具体的な財産の権利義務だけではなく、売主・買主と言ったような「財産法上の地位」も承継されます。

 もう少し具体的に言うと、例えば、被相続人が、生前に自己が所有する土地について売買契約を締結したが、契約書を作成した時点で亡くなり、登記の移転や売買代金の決済は未了のままだったとします。
 そうすると、相続人は、被相続人が有していた売主という地位を承継することになりますので、その土地の引き渡し義務や移転登記義務を承継することになります。

 なお、上記規定に「権利義務を承継する」とありますので、当然のことながら、被相続人のプラスの財産だけではなく、借金等の債務(マイナスの財産)も承継することになります。

包括承継の例外~一身専属権について

「ただし、被相続人の一身に専属したものは承継されない」(民法896条但し書き参照)

 この規定のとおり、相続の包括承継の原則には例外があります。
 「一身専属権」(いっしんせんぞくけん)とは耳慣れない法律用語ですが、簡単に言うと、被相続人本人のみが行使する前提で認められた権利(財産法上の地位)であるため、相続によって他人に承継させることには適さない権利(財産法上の地位)のことです。

 その範囲については、いまいちわかりづらいところがありますので、判例等で示されたところを以下に列挙してみます。

判例等で「相続性なし」とされた権利
1 身元保証債務や包括的な信用保証債務(なお、通常の保証債務は承継することに注意)
2 委任者・受任者の地位、代理における本人・代理人の地位(民法653条、111条)
3 生活保護受給権
4 公営住宅の使用権

相続財産の範囲

 前述の一身専属権の話と関連して、そもそも相続財産に該当するのか否か(相続の対象となるのか否か)が問題になるものがありますので、いくつかご紹介していきます。

祭祀財産、遺骨

 祭祀財産(系譜、祭具及び墳墓)は、民法上、相続財産とされておらず、祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するとされています(同法897条)。遺骨もこれに準じるものと考えられています。

生命保険金

 生命保険金(保険金請求権)は、死亡を原因として発生するため相続と類似性がありますが、契約によるものである点で別途検討が必要になります。

1 被相続人が特定の者を受取人に指定している場合には、保険金請求権は相続の対象となりません。あくまで保険契約の効力として請求権を取得するので、それは受取人の固有財産ということになります。

2 受取人が単に「相続人」と定められている場合には、保険金請求権は、各相続人に、その法定相続分の割合に応じて帰属することになります。よって、この場合も相続の対象となりません。

3 受取人が被相続人自身となっている場合には、保険金(保険金請求権)は相続財産となります。被相続人自身が請求権を取得し、その権利が相続されると考えるからです。

賃借権

 賃借権も一つの財産(財産権)として相続の対象となります。したがって、建物の賃借権が登記されているものであれば、相続を原因として移転登記をすることになります。

死亡退職金

 死亡退職金の法的性質については、賃金の後払いの意味だとか、遺族の生活保障としての給付だとか諸説あるようです。

 しかし、いずれにせよ、通常は、民間の企業であれば就業規則等における退職金規定で、公務員であれば法律や条例により、死亡退職金の受給権者や支給方法が定められています。
 そのため、受給者は、死亡退職者の相続人としてではなく、上記のような諸規程に基づき、自己固有の権利として退職金を直接取得するものとされることが裁判例では多いです。よって、そのように考える場合は相続の対象とはなりません。

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以 上

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